三島由紀夫 レター教室♡
たまに読み返したくなる本の一つです。
かつて三島由紀夫が女性週刊誌に連載していたもの。
20歳から45歳までの5人の男女の登場人物が繰り広げる様々な出来事を
手紙形式で表現した小説なのですが、
それぞれのネーミングも手紙の内容とあっていて
人となりを想像して読むのが楽しい。
こんな名前の登場人物です。
氷ママ子
山トビ夫
空ミツ子
炎タケル
丸トラ一
少しシニカルだったりするところも軽妙に描かれていて
当時のちょっとだけお上品な言い回しが堅苦しさ無しで
使われていたりするので、その雰囲気も感じられて好きなのです♡
そして後書きで著者が述べています。
手紙を書く時には、相手はまったくこちらに関心がない、という
前提で書きはじめなければいけません。
これが一番大切なところです。
世の中の人間は、みんな自分勝手の目的へ向かって邁進しており、
他人に関心を持つのは例外的だ、とわかった時にはじめてあなたの書く手紙には
いきいきとした力がそなわり、
人の心を揺さぶる手紙がかけるようになるのです。